blog ブログ

鍼灸院ルーシダスのブログでは、定期的にお身体に関する情報を、
院長の知識や経験を織り交ぜながらご紹介します。

  • 顔面神経麻痺

    こんにちは

    東京都目黒区都立大学駅から徒歩2分にある

    鍼灸院Lucidus[ルーシダス]の院長山内です。

     

    顔面神経麻痺についてのお問い合わせがありました。

    顔面神経麻痺は昔から鍼灸の適応で、様々な報告があります。

     

    多くの患者さんは、「鍼灸は効くのか効かないのか」、患者さんはそれだけが知りたいのでしょうけれども、

    顔面神経麻痺という言葉は非常に大きな言葉なので、それだけの情報では何とも答えられないのが実情です。

     

    その上で、患者さんにも理解してほしい情報がありますので、記載することにしました。

     

    当記事では、

    ・顔面神経について

    ・顔面神経麻痺について

    ・発症機序

    ・検査

    ・経過

    の各項目を記載しています。

     

     

    <顔面神経について>

    顔面神経=第Ⅶ脳神経(中枢神経)です。

    〇特徴

    ・表情筋を動かす運動神経が有名ですが、それ以外にも分泌副交感神経や味覚神経により構成されます。

    →つまり顔面神経障害では運動障害以外に多彩な障害が見られることがあります。

     

     

    <顔面神経麻痺について>

    ・Bell麻痺

    ・Hunt症候群(ラムゼイハント症候群)

    この2つが臨床的に頻度が高く、全体の約70%を占めます。

    以下はこの2つの例について述べていきます。

    中には、中枢性の疾患である、脳出血・くも膜下出血・脳梗塞などでも顔面神経麻痺を起こすこともありますので、顔面神経麻痺を起こしたらすぐに病院を受診してください。

    後ほど述べますが、抗ウィルス薬も発症すぐでないと効果を発揮しないこともありますので。

    鍼灸も発症後1週間~2週間経てば行うことが可能です。こちらも早期に行うと良い効果を示すことが多いです。

     

     

    Bell麻痺

    ・人口10万人当たりの年間の発症例:15-30例 欧米・日本で著明な差はない。

    ・男女比:ほぼ1:1 性差はない

    ・患者数は30歳代が最も多いが、発症頻度は50歳代が高いとの報告があります。

    ・妊娠(特に妊娠後期)の女性はBell麻痺が発症しやすい。

    ・季節差はない

     

    Hunt症候群

    ・人口10万人当たりの年間発症例:2-3名

    ・20歳代と50歳代に発症頻度が高いとの指摘があります。

    ・小児においては、男児<女児に発症頻度が高い。

    ・5月と8月が少なく、3月と4月、6月と7月に発症例が増加すると報告されています。

     

     

    <発症機序>

    ・両者ともに膝神経節で再活性化したウィルスの関与が考えられています。

    ・Bell麻痺は、HSV-1( Herpes simple virus: 単純ヘルペスウィルス)が大多数。10%~20%はVZVによるものと考えられています。

    ・Hunt症候群はVZV(Varicella Zoster Virus:水痘・帯状疱疹ウィルス)

     

    このようなウィルスを原因としたウィルス神経炎により、神経管内で顔面神経が腫脹することで神経が圧迫・絞扼され、顔面神経の虚血を進め浮腫を増悪させ、神経の腫脹が更に進行するという悪循環により、顔面神経の障害が進行して麻痺が生じ、さらには変性するものと推察されています。

     

    通常、浮腫が下肢などで起こった場合は、細胞組織に吸収されたりして逃げる場所がある(浮腫む)のですが、顔面神経は中枢神経であるために頭蓋骨を通ります。骨は膨らんだり縮んだりしないために、神経に浮腫が起こると、その浮腫の逃げ場がなく、結果的に自分の神経を圧迫させるということです。

     

     

    <検査>

    ・ENoG

    顔面部の筋電図検査ですが、大きな病院でできます。

    (ちなみに顔面神経麻痺は耳鼻科・耳鼻咽喉科にかかられることをお勧めします。)

    このENoGは、顔面部の筋電図で左右差(比)をみているのですが、

    それを発症2週間以内に行い、その数値である程度の予後がわかります。

     

    ENoG値<10%は重症例で、(神経の)再生線維が表情筋に到達する3-4か月以降に回復が始まると同時に、病的共同運動や顔面拘縮など機能異常あるいは後遺症も出現すると言われています。

     

     

    <経過>

    Bell麻痺は良好で、自然治癒率は70~80%。

    Hunt症候群で自然治癒割合は約30%~40%と報告されBell麻痺と比べて予後不良であり、また程度によっても予後は変化します。
    完全麻痺例では自然治癒はわずか約10%。不全麻痺の自然治癒率は66%。

     

    また年齢も予後に関連する一因。

    例えば40歳代以下の症例は50歳代以上の症例に比べ、有意に予後が良好。

    さらに、小児におけるBell麻痺症例では90%が完全に自然治癒し、成人に比べて予後が良好であると報告されています。

    一方Hunt症候群においては、小児での発症頻度は低く、その予後や治療成績に関する報告は少ないと報告されています。

     

     

    基本的にまずは発症から3か月、それが一つの治療戦略になります。

    もちろん、重症例では更に長期を見据えた治療戦略になります。

     

    鍼灸も中には発症後半年、1年を過ぎて来院される方もいらっしゃいますが、発症後すぐに行った方がより効果が高い傾向があります。

    発症してから1週間~2週間経ってから行うのが良いと言われています。

     

     

     

    まずはここまで記載しておきます。

    次回は具体的にどのような治療が良いのか

    「マッサージ」or「表情筋運動」?

    をお伝えしようと思います。

     

     

     

    <参考文献>

    ・顔面神経麻痺診療の手引き 金原出版 日本顔面神経研究会

     

  • 全日本鍼灸学会 全国大会@東京大学

    目黒区都立大学駅から徒歩2分にある鍼灸院Lucidus[ルーシダス]の院長山内です。

     

    6月10日、11日と全日本鍼灸学会の全国大会が今回は東京(東京大学)でありました。

    毎年、お世話になった先生方や先輩・後輩、そしてそこで出会う方々、そして新たな知見など、多くの刺激を頂き、また勉強になりました。

     

     

     

    赤門 全国から集まるので、皆さん記念写真を撮られている方が多かったです。

     

    今年の学会は大きな会場を一つ貸切るのではなく、東京大学の構内全体で行う珍しい形でした。

    東京大学病院のリハビリテーションに鍼灸部門があるので、そこが中心になって動いた様です。

     

    鍼灸治療はまだまだ一般の方からすると、整体などと同じもしくは人によってはもっと低く扱われているように感じますが、実はれっきとした国家資格ですし、医療です。

    昔のイメージが強いので、非科学的に思われるかもしれません。

    確かに、全てがわかっているわけではありませんが、鍼灸治療の効果などかなり多くの項目で科学的にわかってきています。

    そもそも人体そのものがまだすべて解明できたわけではないので、そこら辺はご了承いただきたいですが。

     

     

     

    秋になると銀杏がよくなっている、赤門をくぐったところにあるイチョウ並木

     

    今回も触診の科学的な仕方、そしてその大切さ、耳鳴り・難聴治療で臨床で使える実践的な内容、腰痛治療で使える新たなヒント、顔面神経麻痺や、十二脳神経の診方や、頭痛患者さんに実践で使える治療技術のヒントを頂きました。

     

    触診スピードも早すぎても遅すぎてもダメで、実は治療にかなり役立ち、かつ科学的なメカニズムがあることが具体的に示されていました。詳細は企業秘密ですね。実践してみて役立ちそうならお伝えしようと思います。

     

    耳鳴り・難聴では、反応点があり、そこを押すだけで耳鳴りや難聴が変わってくる。

    かつそこが治療ポイントにもなる、その理由も科学的になんとか説(資料見ないと忘れた(笑))があるとか。

    これも臨床のヒントを頂きました!

    また感音性難聴か伝音性難聴かを理学検査で区別する、リンネ法やウェーバー法は既に大学生の講義で習っていたので知っていましたが、復習になりました。

     

    腰痛に関しては、刺鍼方法・角度など、これもまた臨床のヒントなりました。

    これは今日実践してみましたが、確かに効果がありそうです。

     

    顔面神経麻痺患者さんに使える、治療技術から評価方法までこれも良かったですね。

    脳神経もこういう症候があると見逃してはいけないなど、解剖的にかつ理論的に、でも面白くわかりやすく教えていただいて非常に勉強になりました。

     

    あとは頭痛患者さんに使えるヒントですね。これも自分の持っている技術にプラスアルファされた感じです。

     

     

    学会はいつも新たな治療のヒント(知見)や、先生方・同期の先生方・先輩後輩の先生方から刺激をいただけるので、勉強嫌いでかつこの季節暑くて湿気が多くて、行きたくないと思ってしまいますが、行って良かったといつも思います。

     

     

    かの有名な安田講堂 今回の学会は一つの会場だけでは収まりきらなかったので、安田講堂をはじめいろいろな施設で行っていました。移動が少し大変だったのは内緒(笑)

     

    頭痛は本当に鍼灸で良くなることを実感していますが、それは科学的なんですよね。決して魔法ではないです。

     

    総括すると、地道に頑張っていこうと再度実感した学会でした。

    治療にも魔法はありませんが、生きていくのも魔法はありません。

    地道に頑張っていきます!!

     

     

    本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。

    お問い合わせは、こちらから遠慮なくご連絡ください。

    ===============================================================

    目黒区 都立大学駅 徒歩2分 東洋医学・西洋医学両面からの鍼灸治療院

    鍼灸院 Lucidus ‐ルーシダス‐

    ※完全予約制

    院長  山内 清敬

    ・はり師・きゅう師(国家資格)

    ・臨床鍼灸学 修士号

    ・全日本鍼灸学会 認定鍼灸師

    ・元アメリカ豪華客船 乗船鍼灸師

    千葉大学 医学部附属病院 和漢診療科 臨床鍼灸師

    お問い合わせは、こちら

    ==============================================================

    ※治療中の場合お電話に出れないことや、メール問い合わせの場合返信にお時間がかかる場合がございます。予めご了承くださいませ。

    ※木曜・日曜は現在休診日とさせていただいておりますが、お問い合わせは24時間・365日受け付けております。遠慮なくお問い合わせください。但し木・日はご返事は翌日以降になる場合もございます。