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鍼灸院ルーシダスのブログでは、定期的にお身体に関する情報を、
院長の知識や経験を織り交ぜながらご紹介します。

  • 鍼灸の歴史1 ー発祥ー

    医心方 -日本に現存する最古の医学書- 東京国立博物館所蔵

    医心方 -日本に現存する最古の医学書- 東京国立博物館所蔵

     

     

     

     

    暑い日や涼しい日や湿気の多い日など目まぐるしく天候が変わりますが、お身体はいかがでしょうか?

    季節の変わり目や天候不順な日は様々な身体の諸症状が出てきます。

    お早めの対処をお勧めします。

     

     

    さて、今回は、鍼灸の歴史を少しご紹介しようと思います。

    と言いますのも、鍼灸を勉強する方は、最新の現代医学だけでなく、漢方薬や古典医書から勉強する方も多くいます。

     

     

    ちなみに鍼灸は、現在の括りでは、(WHOでは医学に認定していますが)代替医療に入ります。

    その代替医療の括りの中では、エビデンスが増えつつあり、西洋医学的に質の高い研究・医学的根拠は確実に増えています。(研究に関しては日本だけでなく、アメリカを筆頭に、ドイツ・カナダ・スウェーデン・フランスなどの西洋諸国や、中国・韓国・インドなどのアジア諸国からの研究もかなり盛んです。)

    もちろん、人間の人体を使った研究・実験では、倫理的な問題をクリアしない限り、実行できません。

    特に最近は厳格に管理されているため、やりたい研究ができるとはかぎりません。

     

     

    そのため、過去の先人たちの文献・書物から多くのことを学ぼうとする方々は非常に多くいます。私も読みます。

    ただそういった書物は再現性の問題や眉唾物の記載もあったりしますので、全てを盲目的に受け入れるわけではありませんが、読み込んでいくと治療のヒントを得ることはよくあります。

     

     

    では、先人の書物って一体どこら辺から読むの?

    と質問されそうですが、古くは黄帝内経(素問・霊枢)や傷寒論・金匱要略といった数千年前に書かれた本も無視できません。

     

     

    こういうことを記載すると、「嘘くさい・あやしいもの」などと思われるかもしれませんが、治療理論だけではなく、人間や自然の神羅万象を説いている項目もあり、現代にも通じることが多々あります。

     

     

    そういったことを本当はお伝えしたいのですが、文字に起こすと膨大な量になる為、今回は、鍼灸がいつ起こったのか、伝わったのか、歴史を紐解いてご紹介しようと思います。

     

     

    〇発祥

    鍼灸の発祥は、下記の遺跡にあった書物等から春秋戦国時代の中国とも言われていますが、はっきりとはわかっていません。

    馬王堆漢墓医書(まおうたいかんぼいしょ)

    紀元前二世紀の墓。三つの墓の集合体。

    一号墓からは、水に浸かった五十歳ぐらいの婦人の遺体が出土。みずみずしく弾力性のある屍体は当時ビッグニュースとして世界を驚かせる。また手には漢方薬を握っており、病理解剖によってさまざまな既病歴が知られた。

    三号墓から出土した男子は医療に関心が深かったらしく、ここからは大量の古代医学書が出土。

    中国四大発明の一つ、「紙の発明」は紀元後(後漢)であるため、この時は紙はなく、絹に墨で記されていた。

    ここから出土(2200年程前)した医書は現物する中国最古の医書と言われている。

    ちなみに、絹織物の歴史は紙よりもはるかに古く、3000年前の殷代からと言われている。

    古代、上等の書物は絹織物に墨で記され、絹は帛(はく)ともいい、絹に書かれた書物を帛書と称する。

     

     

    〇その後、世界中に広まる

    東は、朝鮮半島を経て日本へ。

    西は、シルクロードを経て、フランス・ドイツまで広まります。

     

     

    意外と文字が多くなってしまいました。

    次回は、日本への伝来や日本での鍼灸の広がりをご紹介しようと思います。

     

     

     

    参考資料:

    鍼灸の歴史、大修館書店、小曽戸洋・天野陽介

    Wikipedia 「鍼灸」

    Wikipedia 「馬王堆漢墓」

     

     

  • 患者会 @千葉大学

    こんにちは

    東京都目黒区都立大学駅から徒歩2分にある

    鍼灸院Lucidus[ルーシダス]の院長山内です。

     

    先日行なわれました患者会(@千葉大学にて)のご報告です。

    東京からは遠いので、一部の患者さんからは「聞きたかった。その風景だけでも見たい。」というご意見がありましたので簡単にご紹介します。

     

     

     

     

    漢方薬については並木先生の講演、鍼灸については私がご紹介させていただきました。

     

     

    講演の中身については、鍼灸の歴史から、海外での鍼灸、そして最近の鍼灸の論文(科学的な手法を用いて)などをご紹介しました。

     

     

    少し難しい内容だったので、来てくださった方からの質問はあっても1・2ぐらいだと思ったのですが、意外と質問が多く、盛り上がった夏らしい患者会になったのではないでしょうか(^^♪

     

     

    患者さんは漢方薬だけ興味があるのかと思いきや、意外と鍼灸についての質問が多く、鍼灸の科学的な側面の情報を求めていることがわかりました。

     

     

    今後もこのような情報をお伝えしていこうと思います。また今回はこの重要性を再認識するいい機会となり、このような機会を与えてくださった方々や裏方の方々には感謝しかないです。

     

     

    もし詳細を聞きたい場合は、当院でお尋ねください。

     

     

    漢方の並木先生の講演は、大変面白く、音楽グループの「ケツメイシ」の名前が生薬の「決明子」から来ているという蘊蓄話などもあり、詳しくここでご紹介できないのが悔やまれますが、夏バテの漢方薬についてだったりとこちらもホット(Hot)な情報が満載でした。

     

     

    最近はブログ更新が出来ていませんでしたが、暑さで倒れていませんので、ご安心ください。

    のんびりとたまに更新していこうと思います。

     

     

    鍼灸院Lucidus

    院長 山内清敬

  • 鍼灸や漢方薬が「医学」に認定 ICD-11

    漢方・鍼灸・東洋医学写真 鍼灸院Lucidus

     

     

    東京都目黒区の都立大学駅から徒歩2分にある鍼灸院Lucidus[ルーシダス]です。

    先週(平成30年1月9日)の出来事ですが、産経新聞のトップ記事に鍼灸や漢方のことが載っていました。

     

    http://www.sankei.com/life/news/180109/lif1801090004-n1.html

    ネットでも見ることが出来ます。

     

    ネット記事の為、いつか消えることが想定されます。
    そのため、内容を一部抜粋します。

    「漢方薬や鍼灸(しんきゅう)など日本や中国の伝統医療が、今春にも開催される世界保健機関(WHO)の総会で認定される方針であること。」

    「具体的には、国際的に統一した基準で定められた疾病分類である「国際疾病分類」(ICD)に、伝統的な東洋医学の章が追加される。100年以上、西洋医学一辺倒だった世界の医療基準の転換点となるとともに、中国と異なり独自に発展してきた日本の伝統医療の再評価につながる。」

    ということです。

    記事には鍼灸や漢方の記載もあり、

    「日本の漢方は古代中国に起源があるものの、西洋医学と融合し、中国とは運用方法や処方の作り方も異なるなど独自の発展を遂げた。鍼灸も奈良時代に漢方とともに伝えられ、「日本の医療」として進化。特に中国はボールペンの芯ほどの太い鍼(はり)を使うが、日本は髪の毛ほどの細い鍼を使うところに特徴がある。

    病気に対し狙いを絞って対処する西洋医学に対し、東洋医学では、病気は全身の体内バランスが崩れて起こるという考えを持ち、同じ症状でも患者の体質によって治療を変える。日本では昭和51年に147種の漢方エキス製剤が医療保険に適用。漢方医学は平成13年から医学教育に、14年からは薬学教育にも導入された。」

    という内容でした。全文は 記事 をご参照ください。

     

     

     

    〇ICDとは

     

    ちなみにICDというのは、異なる国や地域から、異なる時点で集計された死亡や疾病のデータの体系的な記録、分析、解釈及び比較を行うため、世界保健機関憲章に基づき、世界保健機関(WHO)が作成した分類である。(厚生労働省より)

    非常にわかりにくいですね。(;^_^A

     

    具体的には、このICDというのは、「疾病、傷害及び死因の統計分類」を作成し、統計法に基づく統計調査に使用されるほか、医学的分類として医療機関における診療録の管理等に活用されています。

     

     

     

    〇ICD-10 → ICD-11 へ

     

    現在は、1990年に作成されたICD-10を利用されています。

    この度改訂され、ICD-11となります。

    その中に、鍼灸や漢方の記載が入るということです。

    ようやく世界的に鍼灸や漢方が医学として認められたということです。

    非常に大きな意味合いがあります。

     

     

    ちなみにですが、実はこの情報、2016年10月の時にこうなるとわかっていました。

    https://ssl.jsam.jp/contents.php/010000zUqN14/

    このことにご尽力された先生方には、本当に感謝です。

     

     

    とはいっても、まだまだ鍼灸はそれほど世間で広まっていません。

    鍼灸や漢方が全てだとは思っていませんが、西洋医学も含めて、選択肢の一つとしてもっと鍼灸や漢方の理解が深まってくれたらと思っています。

    日本は本場でもあるにもかかわらず、地位があまりにも低すぎるので、もっと国民レベルで理解が深まってくれることを切に願います。

    私も一般市民レベルで、地域の皆様に施術を通して鍼灸が良いものだと更に広まるよう努力していくのと同時に、様々な啓蒙活動にも力を注いでいこうと考えています。

    ICD-11に記載される東洋医学の内容も、本職からしたら、まだまだ幼稚なものです。

    記載されたからと言ってこれが終わりではなく、これが始まりだと思っています。

    微力ながら何かしらで寄与できるよう今後も精進して参ります!

     

     

    平成30年(2018年) 1月9日 産経新聞朝刊

     

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  • 腎着証 【腰が冷たく重痛い・重だるい】

    東急東横線 都立大学駅から徒歩2分にある

    鍼灸院Lucidus[ルーシダス]です。

     

     

    下記に

    〇腎着証について

    〇出典:金匱要略 五臓風寒積聚病 脈証幷治第十一

    〇症状

    〇治療

    〇鑑別

    を記載しています。

     

     

    ここ3週間ばかり雨がよく降ってます。今週は晴れ間が多かったですが、また台風で雨が多くなってきました。

    比較的若めの方からお問い合わせがありました。

    腰が冷たいのは良くなりますか?」と。

    よくよく聞くと、「ここ最近、腰が冷たくて痛い・重い感じがする」そうです。

     

     

    一般的には、腎陽虚とか思うのかもしれませんが、腎陽虚だと排尿が多い、泄瀉(下痢)や五更泄瀉(早朝の下痢)などそれ以外に陽虚症状が強く出てますが、これはその前段階といったところです。

     

    久しぶりにこの症状を聞きました。

    腎着証です。中医では唯一とも言われる腎の実証です。

     

    実証といっても初期は実証、遷延化すると虚実夾雑となります。

    鍼灸院や病院に来る患者さんは、我慢してどうしようもなくなって来られるので、大体は、虚証がベースの邪気(実邪)がある状態。

    なので治療は、邪気を取る瀉法・虚を補う補法、両方必要。

    更に言うならば、脾腎を温め、水湿を利する。ということでしょうか。

     

     

     

    大学院生の頃、腎着証の患者さんに出会ったことがあったので、この話を聞いた瞬間にこれを思い出しました。

    大学は京都の片田舎、田植えも盛んで、湿気が非常に多い地域です。

    昔からこの腎着証は、田植えの時期雨が多い秋の時期に発症しやすいのが特徴と言われています。

    そのため、労働環境が田舎と都心では違うので、田舎には多く、都心には少ないものと思っていました。

    ただ逆に都心は田舎には少ない座り仕事や思考の仕事が深夜まで長時間に及ぶため、脾(や腎)を病みやすい状態にあるのかもしれません。

    それにここ最近寒くなり、台風も連続して約3週間大雨・長雨が続いています。

    これがさらに脾を損傷させて湿邪・寒邪が入ったのでしょう。

     

     

    鍼灸治療がよく効く病です。

     

     

     

     

    【 腎着証について まとめ 】

     

    〇腎着(じんちゃく)

    腎著(じんちょ・じんちゃく)ともいう。

     

    【出典】「金匱要略 五臓風寒積聚病 脈証幷治第十一」より 金匱要略のwikipediaはこちら

    「金匱要略」は「傷寒論」と並んだ二大医古典です。合わせて「傷寒雑病論」と言ったりします。

    腎着 鍼灸院Lucidus[ルーシダス]

    腎着 鍼灸院Lucidus[ルーシダス]

     

    「腎著の病は、其の人、身体重く、腰中冷え、水中に坐するがごとく、形水上の如くにして、反って(かえって)渇せず、小便自利し、飲食故の(もとの)如きは、病下焦に属す。身労して汗出で、衣裏冷湿し、久久にして之を得。腰以下冷痛し、腰重きこと五千銭を帯びるが如し。甘姜苓朮湯之を主る。」

     

    訳:「腎着(腎著)の病は、身体が重くて、腰が冷えて、水の中に座っているようで、浮腫のある状態であるのに、のどは渇かず、小便が出る。(浮腫のある患者はのどが渇いて、小便が出ない。)飲食は普通。これは病が下焦にあるからである。身体が疲れると、汗が多く出て、衣服の裏は汗で湿って冷える。これが長く続くと腎着(腎著)という病気になる。腰に五千銭の重いものをつけているようである。これは甘草乾姜茯苓白朮湯(甘姜苓朮湯=苓姜朮甘湯)の主治である。」

     

    腎着(じんちゃく) 鍼灸院Lucidus[ルーシダス]

    腎着(じんちゃく) 鍼灸院Lucidus[ルーシダス]

     

    【症状】

    腰が冷痛し重だるい。身体も重だるい。

    転側(寝返り)できない。

    静かに臥していても治らない。

    天候が雨・曇りになるとさらにひどくなる。

    温めると諸症状は軽減する。

    口渇なし。小便・食欲は普通。

     

     

    【原因】

    ①疲れて汗をかいているときに外寒を感受した場合。

    ②雨に濡れ衣服が冷たく湿っていたり、普段から湿地にいたりして水湿が侵襲した場合。

    ③腎経虚冷であるときに風湿を受けた場合。

    腎虚して寒湿が内につくことによっておこることが多い。

     

     

    【治療】

    方剤:苓姜朮甘湯(別名:腎着湯)などを用いる。

    鍼灸:脾腎を温め、水湿を利する。

     

     

     

    【鑑別】

    痺証とよく似ているが違う。

     

     

    webでも調べてみると、こんなサイトがありました。

    http://www.sm-sun.com/family/yougokaisetu/sa/jinntyaku.htm

     

    http://blog.goo.ne.jp/harumi4567/e/d8dca0071855565f811cafa113a1bef1

     

    http://www.seimei-in.com/wp/b1805/

     

     

    【参考文献】

    金匱要略講和 大塚敬節

    漢方用語大辞典 燎原

    中医弁証学 東洋学術出版社

     

     

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  • <風邪の際の漢方選び:太陽病を中心に>9月、風邪・体調の悪化にはご注意

    都立大学駅から徒歩2分の鍼灸院Lucidus[ルーシダス]です。

     

    もう巷ではハロウィンのイベントが始まろうとしてますね。

    また最近は涼しくなりましたね。早くも秋らしさを感じます。

    ただ個人的には夏の暑さがまだ何回かあって、秋→冬へと変わっていくのではないかと思っていますが、

    ここ連日このような涼しい日が続いていると、体調管理が大変ですね。(;^_^A

     

     

    この天気になれないと風邪をひいて発熱する方もいるのではないかと思うのですが、

    もし発熱した場合、漢方は何を飲んだ方が良いのか。ご存知でしょうか?

     

     

    「風邪には葛根湯」というのが一般的なイメージですが、葛根湯よりもいい漢方薬があったりします。また風邪の時に使うツボもあります。

    今回はその解説を簡単にしようと思います。

     

    以下が今回の内容です。

    〇傷寒雑病論=傷寒論+金匱要略

    〇外感病

    〇傷寒論=六経弁証

    〇その病は今どこ?

    〇太陽病

    〇桂枝湯・麻黄湯の使い分け

    〇葛根湯・葛根湯加川芎辛夷

    〇太陽病変の関連方剤(小青竜湯・五苓散・桃核承気湯)

    〇風熱証

     

     

     

    〇傷寒雑病論=傷寒論+金匱要略

    まず、漢方薬・鍼灸の東洋医学の世界では、「傷寒論」・「金匱要略」という二大書物・古典が存在します。

    合わせて「傷寒雑病論」と言ったりします。

    その中の外感病を扱っている「傷寒論」から、今回は解説していきます。

     

     

    〇外感病

    外感病?なんのこっちゃ?と思うかもしれませんが、東洋医学では「風・暑・湿・燥・寒・火・熱」などといったものを邪気として捉えます。

    ・かぜ=風邪:ふうじゃ

    というように、暑邪、湿邪、燥邪、寒邪、火邪、熱邪というのが存在します。

     

    もちろん、適当なものならば邪気とはなりませんが、これらが極度に行き過ぎてしまうと、邪気が身体の中に入ってしまい悪さをします。

    もしくはそれほど旺盛な邪気ではなくても、お身体の抵抗力(衛気:東洋医学ではこのように言います)が弱いと侵入してくると考えています。

     

     

    〇傷寒論=六経弁証

    傷寒論では六経弁証を取り扱っています。

    太陽病・少陽病・陽明病・太陰病・厥陰病・少陰病という六つの弁証があります。

    外因である病がその順番で進行すると考えています。もちろん、直中(飛び越えること)もあります。

    (東洋医学をかじったことある方は、・・・太陰・少陰・厥陰の順番じゃないの?という初学者もいらっしゃるかもしれませんが、説明が長くなるので省略しますが、当記事では上記の順で説明します。)

     

     

    〇では、その病が今どこにいるのか?

    それは問診・脈・舌・腹をそれぞれ診て決定していきます。

     

     

    〇太陽病

    今回は風邪の時の漢方ですので、太陽病で話を進めていきます。

    外感(風・寒・熱など)の邪気が、身体の表面(太陽)に入り、衛気と戦っていることにより出てくる諸症状のこと。

    太陽病の条文:「太陽の病たる、脈浮、頭項強痛して悪寒す」

    「悪寒、発熱、浮脈、(鼻閉・鼻汁)」の時、太陽病の「風寒表証」となります。

    このとき使うメインの漢方は、「麻黄湯」もしくは「桂枝湯」です。

     

     

    〇麻黄湯と桂枝湯の使い分け

    麻黄湯:風寒表実証

    桂枝湯:風寒表虚証

     

    なので、「虚」か「実」を見極めます。

    一般的には「汗」を問うて鑑別します。

    無汗・有汗か。

    発熱・悪寒があるときに、汗が出ているか・いないかを、聞いたり・見たりします。

     

    つまり、太陽病(発熱・悪寒・脈浮)+無汗=風寒表実証=麻黄湯となります。

    太陽病(発熱・悪寒・脈浮)+有汗=風寒表虚証=桂枝湯です。

     

    汗を見る・聞くのは東洋医学では、当たり前で大事なことです。

     

     

    〇葛根湯・葛根湯加川芎辛夷

    これも「風寒表実証」で用いますが、傷寒論によると「兼症」で用いることが記載されています。

    つまり、「発熱、悪寒、浮脈」に「頭項強痛」・「鼻閉・鼻汁」があるか無いのか。

     

    悪寒・発熱・脈浮+「頭痛・頭項強痛」→葛根湯

    悪寒・発熱・脈浮+「鼻汁・鼻閉」→葛根湯加川芎辛夷

    を用います。

     

    ちなみに、桂枝湯+麻黄・葛根=葛根湯 で、

    葛根湯+川芎+辛夷=葛根湯加川芎辛夷 です。

     

     

    〇太陽病変の関連方剤(小青竜湯・五苓散・桃核承気湯)

    外感(風・寒・熱)の邪気

    小青竜湯:上記の邪気により水飲(痰飲)が生じ、それがどこか臓腑へ波及し、「乾嘔・咳嗽・小便不利」が生じた場合

    五苓散:上記の邪気が太陽経から膀胱に波及し、水(痰)が生じ「浮腫」などが生じた場合。

    桃核承気湯:上記の邪気(特に熱邪)と血が小腸で結びついた場合。「便秘」などの症状+瘀血がある。

     

     

    〇風熱証

    ・銀翹散

    今までは、風寒証が基本でしたが、これは風熱証です。

    風寒証よりも発熱が強い場合に用います。発熱が悪寒よりも強い場合です。

    ちなみに、麻杏甘石湯、清上防風湯も風熱証で用いますが、銀翹散の方が強い発熱(ウィルス性の発熱)の時に用います。

     

     

     

    今回は以上です。

    秋口のような気温ですので、くれぐれも漢方を飲まないようなお身体づくりを目指してください。

    予防が一番大切です。

     

     

    (編集後記)

    我々からすると当たり前のことなのですが、まとめて記事にすると時間がかかって結構大変だったので、しないかもしれませんが、受けがよければ、傷寒論の少陽病~少陰病までまた書きます。(;^_^A

     

     

    本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。

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